「大人の言葉でサッカーを嫌いになることがある」と子ども自身が回答、サッカーを楽しんで続けるために親ができること
セーフガーディングの目的は、誰もが尊重、受け入れられ、安心安全な環境をそこに関わる全員役割だと自覚し、その指針を皆で守ることです。
指導者や保護者による選手への暴言や過度なプレッシャー、また保護者が指導者にプレッシャーをかけることもあり、さらに仲間であるはずの選手同士でも存在するのです。
周りで気がついている人も「お金を払っているのだから、それはコーチの仕事でしょ」とか「各家庭の方針があるだろうから」など、責任を個々に回し、周囲の大人は傍観しがちです。
そのような問題は、こじれてからだと解決が難しくなるもの。気がついたらチーム内でコミュニケーションを図り、気付きを伝え合い、早めに皆で協力し合って問題を解決したいものです。
「傍観もダメなんだということを浸透させ、その考え方が皆の中で当たり前になれば。リスペクトをベースに皆が関わっていくよう働きかけたい」と今井さんは言っています。
■SNSは、発信する前に受け取る側のことも考えて
前編の冒頭でこの夏のオリンピックで見られた、SNSでの心無い投稿や批判発言について触れましたが、心無い投稿に不要にのらないことが大事です。
サッカーの試合やプレーに対する論評や意見交換もSNS内で活発で、それを楽しみにしている人も多数います。ただ残念ながら、選手や監督など個人を攻撃するような発言が度々見られます。
相手への尊重がなければ、本人は意見のつもりでも、受け取る側にとっては暴言となり得ることもあります。
「自分にとって不愉快なことが、社会にとっての悪とは限らない。色々な考え方・意見をもとに、もっと皆が寛容になるべき」と今井さんは言います。
子どもたちにとってはLINEやSNSはコミュニケーションツールとして当たり前になっていますが、まだ自分の感情や言葉をうまくコントロールできない時期であることを大人は忘れてはいけません。
どんな場合でも受け取る相手の気持ちを考えながら使用するよう、保護者も子どもと一緒に使い方を確認するといいでしょう。
■勝利至上主義になってしまう背景
Japan’swayコンセプトムービー
指導者や保護者による子どもへの暴言・暴力、子ども同士のトラブルが多いことの要因に、周囲の大人が試合で勝つことにこだわりすぎる点が挙げられます。
それは永遠の課題だと話す今井さんは「大人になって、サッカーを一生涯楽しんでくれるかということが、本当は一番大事なところ」