「大人の言葉でサッカーを嫌いになることがある」と子ども自身が回答、サッカーを楽しんで続けるために親ができること
だと言います。
「日本サッカーは今までエリートを目指す一つのピラミッドの構造で考えられていたのですが、今はそれが、エリートを目指す山とグラスルーツ(普及育成)のダブルピラミッドの構造(※)という考え方になり両方のピラミッド全体が重要であり、また両方が重なり合ってできる相乗効果こそが、日本サッカーの大事な価値だと考えています」
勝利至上主義という考え方ではなく、誰もがサッカーをスポーツとして楽しめる環境になるよう、例えば試合の仕組みをトーナメントではなく、リーグ戦を増やしていく、また評価されにくいU12やU15の専門性についてもスポットを当て、選手の育成において人間性の部分でも良い選手を育てた人を評価・表彰もしていくような仕組みを検討しているそうです。
※Japan’sway(https://www.jfa.jp/japansway/japansway2022.pdf)より
■子どもの成長スピードは人それぞれ、保護者はベストサポーターを目指そう
「子どもの成長スピードは本当に人それぞれ。大事なのは大人になった時に、人として、選手として一番輝けるよう、積み上げていくことが必要です」と今井さんは話します。
そのために保護者は子どもにどんなサポートをしていくのが良いのか、今後、保護者向けにも発信していきたいと意欲を示しています。
「サッカーは単なる習い事の一貫だから」と無関心でいたり、「試合に勝って欲しい」「自分の子どもがピッチに立って欲しい」と我が子の活躍ばかりに関心が向いている環境では、子どもの心を育てるのは難しいでしょう。
■久保建英選手も「勝敗にかかわらずライバルをリスペクトするように」と言われていた
【RESPECT ~大切に思うこと~】コンセプト映像(JFATV)
前編で日本代表のリスペクト溢れる振る舞いが、世界で称賛されているという話をしました。個人で見ても、例えば、日本代表の久保建英選手は、「お父さんにいつも勝敗にかかわらず、何よりもライバルをリスペクトするよう言われた」と、あるインタビューで答えています。
また世界に目を向けると、元ドイツ代表のトニ・クロース選手は練習前・後に自分のスパイクの手入れをして大事に扱っていたそうです。
サッカーが上手いということだけでなく、その人間性もリスペクトに値する選手には見習う点が多々あります。
サッカーにだけ焦点を当てるのではなく、保護者自身もその回りにいる人や物、日常を大切にすることで、子どもの豊かな心が育っていくのではないでしょうか。