店の窓ガラスを割りまくり、屋敷を爆発。破壊行為を繰り返す女性“犯罪者”たちが手にしようとしたものとは?
今月27日(金)、人類の歴史にとって重要な役割を果たすある映画が満を持して日本で公開される。その映画の名は『未来を花束にして』。キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム=カーター、メリル・ストリープら実力派俳優が集結した本作は、欧米で2015年に公開され様々な映画祭で14賞を勝ち取り、絶賛と議論を生んだ。
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隠された歴史
この映画は、1910年代イギリスに実在した参政権を得るために闘った女性たちのストーリーに基づいている。もともと政治に興味がなく、保守的だが優しい夫と愛くるしい子供に恵まれたキャリー・マリガン扮する女性、モードが主人公。酷い労働環境で貧しいけれど、あまり疑問を持たずに生きてきた彼女の人生が、女性参政権運動を展開するWSPU(女性社会政治同盟)との予期せぬ出会いをきっかけに、急激に変化していく様を描いている。当時のイギリスでは男性より長時間、より過酷な労働をしても賃金は半分か、酷い時は6分の1。女性に参政権がないどころか、政治の話をすること自体タブーとされていた。
職場での女性への性的暴行も暗黙の了解事項とされていたような時代だ。それが当たり前の社会では、女性の権利を主張する女性は同じ女性たちにも煙たがれていた。