「炊き出しじゃなくて、必要なのはチャンス」。ホームレスから10年間そう言われ続けた女の子が始めたアート・ビジネスとは
炊き出しじゃなくて、必要なのはチャンスです これは、アメリカ、ボストンを拠点にホームレスと障がいを抱える人のために支援活動を10年以上続けてきたLiz Powers(リズ・パワーズ)がホームレスたちから繰り返し聞いた言葉。 2016年の時点でアメリカのホームレス人口はなんと56万5千人近く、非常に深刻な問題である。(参照元:2016 State of Homelessness) 年々増加し続けるホームレスに心を痛めたリズはボランティア現場での経験と、自身が芸術畑出身なのを活かし、アートを使ってホームレスをサポートするビジネスを思いつく。
リズ・パワーズ氏
誰も気づかなかったホームレスたちの傑出した才能
リズはソーシャルワーカーとしてアート・セラピーをホームレスや精神障がいを抱える人たちに行っていた。アート・セラピーはホームレスや精神障がいを抱える人にアートの授業を設けることで、人と接する機会を増やし、アートによる自己表現の場を提供するのが目的だった。しかし、様々な場所で活動を続けていくうちに彼女は多くのホームレスや精神障がいを抱える人が傑出した芸術の才能の持ち主だと知る。 すでにアメリカには1000以上の同じようなコミュニティが存在していたが、残念ながらそれまではセラピー用に作られたアートは捨てられてしまうか、倉庫でホコリをかぶるのがオチだ。