東京“100年の歩み”を初のフルカラー映像で綴る NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」
今回、カラー化にあたりNHKが手を組んだのは、2つの世界大戦の映像をカラー化したシリーズ「アポカリプス」で世界に衝撃を与えたフランスのCC&C社。最新のテクノロジーに加え、国内外の専門家100人以上と綿密な時代考証を行い、色の特定をおこなっていったそうだ。
長く色彩の再現に取り組んできたフランソワ・モンペリエ氏は、色彩の再現について「実際に仕上げてみなければ自然に再現できるかはわかりません。それがもっとも難しいところです。集めた全ての色を一つの映像の中に溶け込ませて一貫性のある自然なものにしなければならないのです」と語る。写真のように止まっているものではなく、そこに動きが加わるだけで、その作業がいかに高度な技術であるかは想像に難くない。
そして、その色は想像ではなく、膨大な資料群から紐解かれた当時の“生”の色だ。炎上する日比谷の帝国劇場、銀座の夜に煌めくネオンライト、戦車部隊のパレード、1945年8月15日に流れた敗戦を告げる玉音放送に放心する人々、そして1959年、五輪マークの隣で揺れる「東京オリンピック招致決定」の文字と歓喜する人々。
海の向こうからやってくる人々に「お・も・て・な・し」