くらし情報『東北大、増殖に歯止めをかけて卵巣の腫瘍化を防ぐ仕組みを解明』

2014年1月17日 17:59

東北大、増殖に歯止めをかけて卵巣の腫瘍化を防ぐ仕組みを解明

もう1つの機能は、細胞の核内で遺伝子の調節領域にほかのタンパク質と共に結合し、その標的遺伝子からの情報の読み出しを促進する転写因子としての機能である。転写因子としての機能は、細胞外からやってくる信号分子(「Wnt」と総称されるタンパク質)によって活性化される。

今回の研究によってBtk29Aがβカテニンの150番目のチロシン残基をリン酸化することが明らかになった。こうして「チロシンリン酸化」を受けると、βカテニンは細胞膜の裏側から細胞質に離脱しやすくなることも判明している。そして細胞質に増加したβカテニンは核に移動し、転写制御を行うというわけだ。150番目のチロシンがリン酸化されると、βカテニンの転写活性化能が約6倍高まることも今回の実験で判明している。

今回、"ゆりかご"の細胞でBtkが直接βカテニンを活性化すると、これが司令を出すサインとなり、幹細胞の増殖にブレーキがかるという仕組みが確認された。これは、無脊椎動物からほ乳類に至るまで幅広い動物に共通した増殖抑制の仕組みであり、組織の再生誘導や、各種がんの抑制などに新たな道を開く可能性を秘めた発見といえるとしている。

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