DNSセキュリティの基礎を知る (4) 多種多様なDNSへの攻撃に対抗するには

これまで、DNSキャッシュポイズニング攻撃やDNSサーバーを踏み台にしたDDoS攻撃について個別に説明してきました。今回は連載の最後として、その他の注目すべき攻撃について解説していきます。
○DNSサーバーの乗っ取り問題
2013年8月に、シリアのアサド大統領を支持するハッカー集団「シリア電子軍」が、Twitterを含む大手WebサイトのDNSサーバーの情報を書き換えて、サービスを停止させるという事件がありました。
この事件では、シリア電子軍が直接サイトを狙ったわけではなく、各サイトが利用していたドメイン登録業者(レジストラ)へ不正アクセスを行い、DNSサーバーの情報を書き換えました。
シリア電子軍は、2014年11月にも類似した手法を用いて日本も含む大手サイトで共通で利用されていたソーシャル構築サービスを狙い、各サイトに「シリア電子軍」の画像をリダイレクトさせるという事件を起こしています。
また、日本レジストリサービスが2014年9月~10月にかけて、国内で複数の「.comサイト」がドメイン名の登録情報を不正に書き換えられた「ドメイン名ハイジャック」の被害を受けたと注意喚起を行いました。