あの日あの時あのコンピュータ (2) 「8ビット御三家」への夜明け前 - 富士通「FM-8」
スペックでたたみかける、ビジネスユースを意識したものでした。
翌1982年11月には、バブルカセット(現在でいうリムーバブル記憶装置)などを廃止した廉価版の後継機種「FM-7」が128,000円で発表され、大ヒットを飛ばします。FM-7については、別の機会に譲りましょう。FM-7の登場に合わせて、FM-8のカタログ表記も「FM-8」の略称へと変更され、「ハイクオリティ・ユースのパーソナルコンピュータ」としてメッセージを強化しながら販売が継続されます。82年ミスマガジングランプリの伊藤麻衣子(現、いとうまいこ)さんをイメージキャラクターに起用し、親しみやすさ、パーソナル感を演出していました。
○FM-8との出会い
1981年5月の発表は、NECのPC-6001(1981年9月発表)、PC-8801(同12月発表)の前であり、FM-8のスペックや価格には圧倒的なインパクトがありました。640×200ドット/8色表示のカラフルなデモ画面や、RS-232Cポート、アナログポートに標準でジョイスティックを付けられるなど、憧れて秋葉原のショップに通ったものです。半透明なバブルカセットのふたを開けると、電源スイッチがあり、それだけで大型機のような雰囲気でワクワクしました。