「データブレンディング」が生み出すビジネスの原動力 - 先進企業から学ぶビッグデータ導入の"勘所"
と指摘する。
ビッグデータ活用によるROI(投資対効果)の測定や、KPI(重要業績評価指標)の決定は、難しいと言われている。特に、IT投資に慎重な企業は、「活用できるデータもないし、データ分析ができる人材もいない。結果が予測できない新技術の導入は難しい」というのが本音だろう。しかし、これでは競争力を失ってしまう。
上村氏は、「ビッグデータ活用は、膨大なデータを自社で保存している大規模企業だけのものではありません。海外の先進的な企業では、その規模を問わずビッグデータ活用で、業務の効率化や現状課題の把握など、効果を上げていらっしゃいます」と説明する。
例えばオランダのある病院では、患者管理の改善と設備の運用コスト抑制のために医療機器のセンサーから取得できるデータを収集/分析し、救急救命室の稼働状況や待ち時間などを可視化。
機器全般の稼働データ分析 によって、設備の最適化だけでなく、作業効率の向上も実現し、救急救命室の稼働時間を20%削減した。さらにデータマイニングや予測分析を用いて、急患の症状からどれくらいの時間内に治療を終えなければいけないのかを導き出すことにも挑戦している。さらに日本の複合機メーカーでは、機械にセンサーを取り付け、稼働状況データを収集/分析することで、故障の発生率予測やメンテナンスの効率化、顧客サービスの向上につなげているという。