Xilinx、高位合成ツールのSDxに新たに「SDSoC」を追加
ということで、SDSoCについて簡単にご紹介をした。個人的にどう思うかといえば、XilinxがZynqやZynq MPSoCを拡販してゆく現場においては、非常に有力なツールであろうと思う。これを利用すれば既存のEmbedded Application向けに、汎用CPUと同程度の消費電力枠で、かつ汎用CPUでは実現しえない性能を提供できる可能性が確かに存在する。
その一方で、本当にFPGAを扱えるエンジニアが1人も居ない状態で、新規にZynq+SDSoCを導入する現場がどこまであるか? といわれるとそれはちょっと「?」マークである。なにしろこのところ、特に中華系(台湾・香港・中国)のFabless SoCベンダが恐ろしいほどの低価格で標準的なCortex-A系SoCを提供してくれるから、相対的にZynqやZynq MPSoCは高価格である。それにZynqではLogic Cellの数やI/Oなどは選べるが、CPUコアそのものの数や動作周波数などは決めうちであり、選択肢が豊富とは言いがたい。しかも開発環境は(フルスペックのFPGA開発環境とかに比べれば)かなり安いが、Cortex-A向けの開発環境にはさらに安い(ほとんど無償に近い)