巨人Intelに挑め! - 1GHzを突破せよ (3) Benが明かしたBigなPlanとは…
そこに、K7が割って入ってAMD系の棚を作るという話だ。
マーケティング的に考えれば、それを実現するには2つの方法しかない。多額の予算をマーケティングに投下して力ずくで新ブランドを確立するか、革新的な技術で大きな差別化を図るかである。当時の技術集約型のシリコンバレー企業のAMDの選択は勿論後者であった。以下にK7アーキテクチャの概要を示す。
フロントサイドバス 200MHz:もともとDECがワークステーション用の業界初の64ビットプロセッサAlpha用に開発したEV6が基になっている(競合のPentium IIIの2倍の速さである)
整数演算10段、浮動小数点演算15段という深いパイプライン:これがクロック周波数の飛躍的な向上を可能とする。K7は Athlonとして発表時にいきなり最高クロック650MHzをマーク。
スーパースケーラー:1クロックで9命令同時発行可能、これにより、高いクロックに加えて浮動小数点演算を多く含むゲーム等のヘビーなアプリでも高い実性能を実現。
対応ソケット:SlotA (AMDのAを示している)、IntelのSlot1との電気的互換性が全くないが、外部形状やスロットのメカニカル部分は共通。