ナノワイヤはグラフェンに比べて簡単に観察できるため、これを利用することでグラフェンの結晶構造解析にかかる手間と時間を減らすことができると期待される。
次に、このナノワイヤをもとにしてグラフェンをエッチングすることで、ナノリボンを作製することに成功した。ナノリボンは幅が約十nm、厚さが炭素原子1個分の極めて薄い帯状の構造体。グラフェンナノリボンは、半導体デバイスやバイオセンサなどとして利用できる可能性があり、次世代の半導体素材として期待されているグラフェンの応用可能性を大きく広げるものとして期待される。
同成果は、学術誌「Nature Nanotechnology」にて公開される。同研究は、カリフォルニア大学バークレー校、蔚山科学技術大学校、ハーバード大学、建国大学校、ローレンス・バークレー・ナショナル・ラボラトリーとの共同研究により行われた。なお、同研究は科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)「竹内バイオ融合プロジェクト」の一環として行われた。