ARMとCypressが共同で自動車向けMCUマーケットについて説明
実は後半2つは製品そのものというよりも開発環境に関係してくる部分なので、ここをもう少し説明する。
自動車業界では最近MBD(Model Base Design)を利用した開発が序々に広まりつつある(Photo08)。といっても、現状ツールとしてはMathWorksのMATLAB/Simulinkが唯一のもので、あとはSynopsisの提供するVirtual Prototypeを初めとするツール類で試作を高速化する環境はあるが、ここで問題になるのはどちらを使うにしても、ターゲットデバイスはMATLAB/SimulinkなりVirtual Prototypeがあらかじめサポートしているものに限られる事だ。そんなわけで主要なプラットフォームベンダーは自社の製品がこれらのツールでサポートして貰える様に努力しているわけだが、ARMの場合主要なコアはもう既にサポートされているから、ここで悩む必要がなくなるのは大きなメリットである。
また、例えば途中で利用するSoCのベンダーを変える、あるいは新規に追加するといった話があっても、複数のメーカーが既にARM v8-Rベースの製品を投入しているから、同じCortex-Rベースの製品を選べば開発やメンテナンスの手間がだいぶ省けることになる(Photo09)。