3月は、欧州で量的金融緩和に伴なう国債購入が開始されたほか、米国では、イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長が講演で、利上げは年内実施が妥当であるものの、そのペースは緩やかになるとの慎重な見通しを示しました。金融市場では、これらが主要先進国の株価下支え材料となったほか、さらなる上昇への手がかりを模索する動きも見られ始めています。
こうしたなか、4月は日米の経済ファンダメンタルズと企業決算に注目が集まるとみられます。
米国では、FRB議長も輸出の伸び鈍化の背景として米ドル高を挙げるなど、通貨高がグローバル企業の価格競争力低下につながっているほか、原油価格の下落に伴なうエネルギー関連企業の業績懸念などから、1-3月期決算は、全体で減益が見込まれています。ただし、予想に反して堅調な内容となれば、株価の上昇も期待されます。また、29日には1-3月期GDPが発表されます。寒波などの影響から、米景気には足元で鈍化が見られており、利上げ時期に注目が集まるなか、足元の景気鈍化が一時的なものにとどまるかどうかが、今後の焦点となりそうです。
一方、新年度入りした日本では、株価への高値警戒感が強まるなか、調整色を強める展開になるとみられ、米景気動向や4月下旬からの企業の決算発表に注目が集まりそうです。