世界の国債利回りは、先進国国債を中心に低水準となっており、時価総額ベースで約40%が0.5%未満となっています(シティ世界国債インデックス(参考市場を含む)の各国インデックスの最終利回り、3/31時点)。
その背景には、世界景気の回復ペースが鈍いことや、原油安でインフレ圧力が大きく低下したことなどから、今年、主要国中央銀行が相次いで金融緩和を実施し、多くの国で国債利回りが低下(価格は上昇)したことが挙げられます。こうした世界的な低金利環境下で、投資家はリターンを確保するため、高利回りを求める「イールド・ハンティング(利回り追求)」の動きを強めており、利回り面から新興国国債やハイイールド債などへの注目が高まっています。
新興国国債については、先進国と同程度の信用格付けでも比較的高い利回り水準となっていることに加え、新興国の政策金利は、ゼロ近辺となっている主要先進国と比べて、引き下げ余地があると見られています。特に、インド、トルコ、中国、インドネシアなどの新興国は、原油安によるインフレ率の低下などを背景に利下げなどの金融緩和政策をとっており、債券価格にとってプラス要因になると考えられます。