星野リゾートグループの試み- 非喫煙環境を実現することで会社はどう変わるか
また、社員の間に「自分たちの勤務時間や職場空間はお客様のために使う」という意識が芽生え、それがサービス向上にも大きく役立っていることは言うまでもありません。
そしてなによりも、このプロジェクトを通じ、あらためて「社員は家族」という価値観をリアルに実感することとなり、星野リゾートグループとしての新たな企業文化を形づくる基礎としての役割を果たしたことが大きいですね。
――採用においても「非喫煙」がテーマの一つとなっています。
矢島さん 星野リゾートグループの採用ページには、「あなたはたばこを吸いますか?」という問いかけとともに、なぜ当グループが非喫煙環境にこだわるのか、その理由を明記しています。
当グループに興味を持ってくださった学生や求職者の方々は、そこではじめて顧客志向、魅力創造といった星野リゾートグループの"本質"を知ることとなります。
余談ですが、キャリア採用の方の中には、わざわざ禁煙した上で当社の門を叩いてくださる方も少なくはありません。
――非喫煙や完全に企業の文化や風土として根付いたという感覚はありますか
矢島さん 完全に社員の間に浸透したという実感を得ています。面白い話として、誕生日を迎えるスタッフにサプライズでケーキを用意したことがありましたが、
ロウソクを立てていたのに、いざ火を灯して歌おうというタイミングになった時に、誰もライターを持っていなくて火がつけられず、サプライズがちょっと失敗したという話を聞いたことがあります(笑)。