ロシアの「プラグリェースM-27M」補給船は、なぜ制御不能に陥ったのか (2) 失敗に至る道―4月28日の出来事
そのまま軌道2周目は終わり、3周目に入ってもそれは続いた。
打ち上げから約6時間半後の14時44分(20時44分)、ロシアの地上局がプラグリェースM-27Mと通信できる4度目の機会が訪れた際、途切れがちのテレメトリーから、プラグリェースM-27Mのコンピューターがエラーを認識しており、また角速度センサーや姿勢制御システムが稼動していないことが確認された。さらに、何らかの理由で、推進剤が大量に減っていることも確認されている。
さらに、船の搭載カメラが撮影した映像データを受信することにも成功した。だが、そこには地球と宇宙空間が目まぐるしく交互に映る様子が収められており、プラグリェースM-27Mがおよそ4秒で1回転という速度で回転していることが判明した。もちろん、プラグリェース補給船がこのような回転をすることは、通常ではありえないことだった。
ツープはすぐさま、この回転を止めるための指令をプラグリェースM-27Mに送った。だが、その直後に地上と通信できる範囲から飛び去ってしまったため、回転が止まったかどうかがわかるのは、さらに地球をもう1周し、ロシアの地上局との通信ができる範囲に入ってくるのを待つ必要があった。