2015年5月20日 23:00
能力の低い人ほど自信満々? 「ダニング=クルーガー効果」に要注意!
という認知バイアスに関する論文を機関誌『Journal of Personality and Social Psychology』に発表。この認知バイアスは現在「ダニング=クルーガー効果」として知られており、2000年にはイグノーベル賞の心理学賞を受けた。
ダニングとクルーガーは、ある特定のスキルに関して、能力のない人は「自らのスキルの欠如」、「他者の本物のスキル」、「自らのスキル不足の程度」が認識できないと主張した。これはある意味当然のことともいえる。例をあげると、自分が文法をどの程度知っているかを認識するには、その文法に精通している必要がある。だが、能力のない人にはそもそもそれができないので、自分の能力も客観的に判断できないのだ。
しかし、この現象で興味深いのは、能力がないことによって、人はうろたえたり困惑したりするのではなく、むしろ不相応なほどの自信に満ちあふれていることだという。研究の結果、テストでDやFを取る大学生は、自分の答案はもっと高い点数に値すると考える傾向があり、また実力の劣るチェスやブリッジのプレーヤー、医学生、そして運転免許証の更新に臨む高齢者ほど、自分の力を過大評価することがわかっている。