くらし情報『ニュージーランドの利下げについて』

2015年6月11日 17:52

ニュージーランドの利下げについて

ニュージーランドの利下げについて
ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は6月11日の金融政策決定会合で、政策金利を従来の3.50%から3.25%へ引き下げることを決定しました。市場では政策金利が維持されるとの見方が優勢だったことから、今回の決定を受けてニュージーランド・ドル(以下、NZドル)が売られ、対米ドルで約5年ぶりの安値水準となりました。なお、対円では1NZドル=86円台半ばと、今年2月初めに見られた水準にまで低下しました。

ニュージーランド経済は、過去に比べて低い金利水準や移民の流入増加、活発な建設投資、燃料価格の低下などを背景に、先進国の中でも堅調に推移しています。しかし、ニュージーランド準備銀行は、乳製品を中心とする同国の輸出品の価格下落や足元での原油価格の持ち直しなどを背景に、今後、国内需要の鈍化やインフレ率の下振れが見込まれるとして、今回、約4年ぶりとなる利下げに踏み切っただけでなく、追加利下げが必要となる可能性に言及しています。また、同準備銀行のウィーラー総裁は、NZドルが依然、過大評価されているとして、一段の下落が正当化されるとの見解を示しました。

実質ゼロ金利政策が続けられてきた米国で、年内にも利上げが開始されるとの見方が足元で強まっているほか、ユーロ圏ではデフレ懸念が和らぎ、ドイツ国債の利回りが上昇しているなど、市場が浮足立つ中、ニュージーランド準備銀行が市場の予想よりも早いタイミングで利下げを実施したことを受け、NZドルの下振れは大きくなったと考えられます。

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