京大、電気から光への変換効率100%を達成できる有機EL材料を開発
その知見を活用し、炭素、水素、窒素のみで構成される新たな分子「DACT-II」を設計し、幅広い温度領域、輝度領域において、高効率で電気を光に変換することに成功したとする。
実際に同材料を用いた有機ELでは、電気から光への変換効率は最大で100%、外部量子効率も29.6%を達成したとする。また、簡単なマイクロレンズから構成される光取り出しシートを用いた場合、外部量子効率は最大41.5%を達成したとするほか、3000cd/m2下で外部量子効率30.7%を達成したとしており、この特性により、素子の寿命も長くなることが期待されるとしている。
また、低温から高温まで幅広い領域で高い発光特性を維持できるほか、薄膜状態におけるガラス転移温度も192~197℃と、高い耐熱性も確認されており、広い温度範囲での利用も可能だという。
なお研究グループでは今後、長寿命化の実証や高特性・高付加価値を有する発光材料の設計・開発などを進めていきたいとしているほか、生体プローブなどの新たな有機デバイスへの展開なども進めていきたいとコメントしている。