巨人Intelに挑め! - 自作PCユーザーを歓喜させたK6シリーズ (7) OEM市場開拓ではIBMの力を借りる
、そんな半導体の世界にブランドマーケティングが成立するなどだれも考えないものである。しかしIntelは違った。IntelはPCのマザーボードに搭載される半導体はメモリとアナログを除いてはすべて集積回路に取り込んでしまう(まさにムーアの法則である)という戦略であったのでそのうちPC自体がCPUと同義になると考えていた。
とは言っても、多分この戦略は、PCが流行し始めたその当時でもIntelの中の限られた人間しか認識していなかったことだと察する。前述のIntelの本では、CPUを開発した当時創業者のロバート・ノイスが"Intelはこれからコンピューターの会社になる"、と言ったが、当時その言葉の意味を分かる人間はノイス以外にいなかったと書いている。逆説的に言えば、ノイスはその天才的直観でIntelが開発したCPUがその後どのような未来を構築するのかの可能性がはっきり見えていて、その未来をIntel自身がそのビジョン通りに創造したということであろう。Intel恐るべしである。
しかも、AMDが低迷する中で、Intelは市場独占の力を強力に進めていったので、OEMカスタマ(PCメーカー)に対する影響力は絶大であった。