くらし情報『シリコンバレー101 (635) ビルボード広告を取り除く都市が増加、広告の行方は……』

2015年10月26日 14:28

シリコンバレー101 (635) ビルボード広告を取り除く都市が増加、広告の行方は……

ただ、ある程度は覚悟していたものの、広告がなくなった街はコンクリート色で染まり、そしてサンパウロはアイデンティティ・クライシスに陥ってしまった。日本で例えると、秋葉原の表通りから全ての広告がなくなって、商業ビルが露出してしまった状態という感じだろうか……。広告は街の彩りであっただけではなく、街の文化を示すものにもなっていた。もちろん時間と共に、灰色の街に広告以外の方法で彩りや街らしさが宿り始めたが、良くも悪くも住民が広告の存在感の大きさを実感する結果になった。

PwCのGlobal Media Outlookによると、広告産業はビルボード削減の厳しい規制に直面しているものの、公共スペースで宣伝しようとする意欲はいささかも衰えていない。ビルボードや大きな看板広告を掲げられなくなっても、違う手段、あの手この手で消費者へのアピールを試みている。

フランスのグルノーブルでは昨年、公共の場から広告が取り除かれ始めた。しかし、すべての広告がなくなったわけではない。
2019年まで残るJCDecauxとの契約によって、バスやトラムの停留所には広告が掲載されている。この契約が打ち切られるかというと、JCDecauxは停留所の保守も手がけている。

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