2015年11月2日 12:02
スカイマーク再建、支援するANAと各社との間にある課題・焦点の実態
を分配することは難しくないが、問題はエアバスだ。「あり得ない」と思われていたANAのA380の導入が、業界で現実味をもって語られている。
「3、4機のA380なら何とか使いこなせる」とANAの事業計画部門が判断したのか、ANA社内の「A380推進派」が「JALが追随できないことをすべき」と主張しているのか真相は不明だ。しかし、いかにANAとはいえ世界のエアラインが難儀しているA380(近々、製造を中止するのではという見方もある)を収益化ツールにすることは容易でなく、飛ばす路線の選択は難しいだろう。
ボーイングのB747での運航をB777に小型化して収益性を確保した欧米線に投入するとは考えにくく、バンコクやホノルルといった多客路線の「おまとめ便」的な活用しか、筆者には思い浮かばない。A380数機に対する初期コストは決して小さくなく、また4発エンジンを背負う機体にとって、原油価格がいつまで低止まりしてくれるかも不透明だ。
A380ではなく、使い勝手の広いA330を選ぶ可能性があるのかどうかは見えないが、A330はANAも積極運用しているB787と機材の位置づけが類似している。その意味では、この重複を嫌ってA380のような超大型機に向かうということなのかもしれない。