実質0円やめた影響、KDDIの田中社長は「来店者が減った」とボヤく
KDDIは9日、2016年3月期第3四半期決算発表会を開催した。そのなかで、同社の田中孝司社長は「実質0円をやめた影響で、2月はauショップの来店者が2割減る」との見方を示した。本稿では質疑応答、囲み取材に対応した田中社長のコメントを中心に紹介していく。
○販売奨励金を抑制した影響
まずは昨秋から今日までの流れをかいつまんで説明したい。総務省の主導で行われた有識者会議では、携帯電話料金の引き下げについて議論が交わされてきた。そこでやり玉にあがったのが、大手キャリアの「販売奨励金」による過度なキャンペーン合戦だった。これまで大手キャリアでは新規・MNPの契約者を呼びこむため、系列販売店に販売奨励金を支払い、それを元手にスマートフォンの「実質0円」や「キャッシュバック」をともなう販売を実現させてきた。販売奨励金の原資となるのは顧客の利用料金である。
そこで総務省は、携帯電話料金の高止まりを招く販売奨励金を抑制し、その浮いた経費で顧客の利用料金を引き下げるよう要請した。
各キャリアともこれに従う方針で、KDDIでも販売奨励金を減額。「実質0円」による販売も1月末で取りやめた。この結果、1月のauショップでは駆け込み需要の動きが見られ、2月に入ると来店者が大幅に減ったという。