オメガ3系を多く、オメガ6系を少なく摂取すると恐怖記憶は和らぐ - NCNP
その結果、恐怖記憶が弱まったマウスでは、扁桃体神経細胞の興奮を抑制する「カンナビノイドCB1受容体」の働きが強まっていることが判明。実際に、恐怖記憶が弱まったマウスにカンナビノイドCB1受容体の作用を阻害する薬剤を投与したところ、恐怖記憶の弱まりは消失することが確認されたとする。
オメガ3系PUFAは経口摂取後、脳の神経細胞膜にその構成脂肪酸として取り込まれ、膜の流動性を高め、結果として細胞膜中に存在するコレステロールを膜から追い出す作用を持つことが知られている。この作用は、特にオメガ3系のDHAで強いことが知られている。
膜にあるコレステロールはCB1受容体に結合して、その働きを弱める作用を持つことが知られているため、3/6 比が高い餌を食べたマウス(恐怖記憶は低い)では、扁桃体神経細胞膜中のコレステロールが減少し、結果的にCB1受容体の働きが高まっている可能性が考えられるという。
研究グループが実際に、コレステロールを膜から追い出す作用がある別の薬剤を作用させたところ、3/6比が低い餌を食べたマウス(恐怖記憶は高い)の扁桃体神経細胞であってもCB1受容体の働きが強まることが確認されたとしている。