今ある家電に違和感を覚えないか? - ソニーが日常に溶け込む家電プロジェクト「Life Space UX」を語る
ポータブル単焦点プロジェクターの設計開発担当である松田氏は、コンシューマーに向けた小型プロジェクターがこれまでに存在していなかったことを指摘。プロジェクターを身近な存在として体験してもらうべく「置くだけでストレスなく絵を出せる」というテーマを設定し、ポータブル単焦点プロジェクターの開発に着手したという。同製品はオートフォーカス機能を搭載し、まさに「置くだけで」映像を投影できるよう設計。さらに、電源ボタン以外の操作キーや電源ケーブルを排除したシンプルなプロダクトデザインを採用した。静音化にも取り組んでおり、ユーザーが愛着をもって使用できる製品に仕上げたという。
製品化にたどり着くまでの取り組みも紹介。2013年に行われた夏祭りイベントの最中に、当時のプロトタイプを使って平井社長にプレゼンしたこともあったという(プレゼンの際には担当者が「RGB」とプリントされたTシャツを着てアピールしたという秘話も明かされた。しかし平井社長の反応は「ふつう」だったそう)。
本格的に製品化に向け動き始めたのは、Life Space UX事業を行うTS課が発足した2014年のこと。製品としてのポータブル単焦点プロジェクターは、Life Space UXのコンセプトと出会うことで完成したことが伺える。