ネムリユスリカ乾燥幼虫は微小重力下でも蘇生する - 若田宇宙飛行士が確認
具体的には、2月19日に乾燥幼虫100個体に対し注水(再水和)し、その3時間後にネムリユスリカ乾燥幼虫が蘇生する様子が確認されたという。ISS船内の平均気温は約23℃、幼虫の至適温度よりもやや低いものの、ほとんどの幼虫が再水和3時間後に微小重力下においても吸水を終え、活動を始めたとする。
また、3月6日に100個体のうち7個体がさなぎ化し、その中の1個体が成虫に羽化したことも確認。研究グループでは、微小重力下において、乾燥状態から蘇生した昆虫の変態を確認したのは今回の実験が初めてだとする。
なお、この結果を受けて研究グループは、今後は、微小重力下での幼虫の行動、例えば、営巣行動や餌の探索行動、成虫の交尾行動(飛翔行動)などの行動観察実験の実施が可能となるとするほか、将来的には、ISSで実施さ
れる、宇宙環境ストレスへの影響を解析するさまざまな実験の材料として利用されることが期待できるようになるとしている。