2014年5月22日 15:02
東北大、全固体電池のためのリチウムイオン伝導体KI-LiBH4を開発
しかし、高いLi+イオン伝導を示すLiBH4高温相ではイオンの2次元的な伝導が示唆されており、結晶のある方向ではイオン伝導性が低く電極反応に寄与できない可能性がある。そこで、Li+イオン伝導において異方性を示さない等方的な岩塩型構造のLiBH4に着目して新規材料を開発したという。
岩塩型構造のLiBH4は200℃以上、かつ4万気圧以上の極限状態でのみ存在する。従って、固体電解質として応用するためには、その高温高圧下の岩塩型構造を常温常圧でも安定化させることが求められる。そこで、岩塩型構造が常温常圧で安定であるKI(ヨウ化カリウム)中にLiBH4をドープするという、従来とは逆転の発想により岩塩型構造のLiBH4の合成に成功した。
今回、同じ結晶構造を有する全く異なる化合物に目的化合物をドープした。この手法は水素化物系のみでなく、他の材料系についても応用可能なアイデアであり、未だ構造安定化が実現されていない高イオン伝導性材料を得る新しい視点を提供するとコメントしている。
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