大沢在昌氏に「鮫島は死ぬの?」と聞けた"ここだけトーク会"が開催
の特徴でもある粋な男をいかにして表現していたかというネタ明かしが繰り広げられた。
また、参加者からの質問コーナーでは、「新宿鮫」シリーズ次期作品の構想や「今後の展開で、主人公の鮫島が死んでしまうこともありえるのか」といった質問まで上がり、話は大沢氏の死生観へ。
「ミステリーは基本必ず人が死ぬ物語。
主人公である鮫島の死も、物語を進めて行く上で必要ならば、考えられない話でもありません。
ただし、作中では単なる都合で人を殺すことはしたくない。
その登場人物の死によってしか物語を動かすことができない時だけ、そう書くようにしています」(大沢氏)そんな大沢氏がシリーズ最新作『絆回廊 新宿鮫X』を連載中、重要人物である桃井の死のエピソードを執筆していたとき、ちょうど昨年の東日本大震災が起きたという。
「あの時はいろいろなことを考えました。
現実に多くの方が亡くなられた中で、ある物語の架空の人物一人の死がどれ程読者に響くのだろうか、小説を書き続けて32年にして初めてそうした迷いも生まれました。
作中での『残された者はただ生き続けないといけないんだ』という桃井の死に対する鮫島の言葉は、震災が自分に書かせたものだったと思います」