国内外の景気回復期待や、日本銀行による追加の金融緩和およびそれに伴なう円安の進展などを追い風に、日本株式は堅調な推移を続けています。
日経平均株価は3月19日に終値で10,141.99円と約1年ぶりの高値水準となるなど、相場の基調の強さがうかがえます。
また、価格帯別累積売買高から見ると、最近の上昇によって、日経平均株価は、次への上昇に向けて好ましい位置に来たことがわかります。
過去の経験則から、相場の上昇局面において「売買が多かった価格帯」は、戻り待ちの売りや利益確定の売りが出やすいことから、相場に相当の力強さがないと上回りにくい価格帯として意識されています。
また、「売買が少なかった価格帯」は、戻り売り圧力などが弱まりやすく上昇しやすい価格帯として意識されています。
現在の日経平均株価は、「売買が多かった価格帯(下図①)」を上回り、「売買が少なかった価格帯(同②)」に入っています。
短期的な調整があった場合でも、「売買が多かった価格帯(下図①)」が当面の下値目処として意識されやすいとみられることから、価格帯別累積売買動向から見る日経平均株価は好位置にあると考えられます。
なお、現在、投資指標面で過熱感がみられていることや、これまでの急ピッチな上昇に対する警戒感が出始めていることなどもあり、短期的には上値が重くなる可能性があるものの、上記のように、日経平均株価が好位置にあることに加え、足元で、生産の回復や円安の進展などを背景に、企業業績の改善期待が高まっていることなどを考えると、利益確定売りをこなしながら、一段の上値を試す展開となるものと考えられます。