景気先行指数の回復を背景に注目される資源国通貨の動き
OECD(経済協力開発機構)が4月10日に発表した2012年2月の世界景気先行指数は、前月比で4ヵ月連続の改善となりました。
国別指数をみると、米国および日本が5ヵ月連続の改善となり、引き続き、世界景気の牽引役となりました。
また、ユーロ圏ではおよそ1年ぶりに前月から改善しており、景気悪化に歯止めが掛かりつつあるとみられます。
加えて、新興国も総じて前月より改善傾向にある中、特に中国の改善幅が最も大きくなり、中国経済が今後上向く可能性が高いことが示されました。
世界の金融市場では、4月に入り、欧州不安が再び高まったことや、米国や中国の景気減速懸念などを背景に、これまで急速に値を戻していた株式や商品価格、資源国通貨などの動きに変調がみられていました。
しかしながら、今回の世界景気先行指数の改善に見られるように、世界景気が緩やかながらも回復に向け前進していることは、市場心理の回復に寄与するとともに、リスク資産の価格を下支えしていくものと考えられます。
特に、景気減速が懸念されていた中国において先行きに明るい兆しが見え始めたことに加え、中国景気の下押し圧力となっていたユーロ圏の景気にも底入れの可能性があることなどを考えると、自国の資源の輸出などの面で中国景気に影響を受けやすい傾向にあるとみられる国の通貨などへの投資魅力が高まるものと期待されます。