「ザ・ビートル」発売直前! 歴史的名車・元祖ビートルの伝説をひも解く
というポルシェ氏の不変の哲学ゆえだ。
初代ビートルは世界中で大ヒットを記録し、ドラッグレースやラリーでも大活躍した。
その中で生まれた伝説の中には信じがたいものもあり、たとえば「ビートルは水に浮く」。
工作精度が高く、隙間なくきっちりとつくられているので、落水しても車内に水が侵入せず、船のように浮くというのだ。
これは事実であることが実験で確認されている。
数多くの伝説の中でも極めつけは、このビートルが永久に破られることのないであろうロングセラーを記録したことだろう。
ビートルの発表は1938年、本格生産開始が1945年、ドイツでの生産終了が1978年。
これだけでも大したものだが、ビートルはその後もメキシコで生産が継続され、それは2003年まで続いた。
つまり、戦前に開発されたモデルがほとんどそのままの形で、ほんの10年近く前まで製造されていたのだ。メキシコ製ビートルは、開発費がとっくに回収されているゆえの低価格が存在理由で、メキシコとその近隣諸国向け生産だった。
ところが、日本の業者により相当数が日本に輸入され、「あのビートルを新車で買える」ということで大変な人気を集めた。