くらし情報『「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (16) 既存ヒエラルキーへのアンチテーゼとなる提案、バンガード社にも絶好の機会』

「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (16) 既存ヒエラルキーへのアンチテーゼとなる提案、バンガード社にも絶好の機会

販売会社はあくまでも投資信託を販売する小売業ですから、とにかく商品を売ることによって手数料収入を得ることが商売の目的になります。

とりわけそのメイン収入は販売手数料ですから、それをいかに効率良く稼いでいくかに注力するビジネスモデルとなってしまいます。

特に証券会社は、株式手数料自由化以降ネット証券にその主役を奪われ、既存証券会社の主たる収入源は投資信託の販売に拠るところとなり、窓販解禁で参入してきた銀行も、日本の経済成長が止まって以降本業で業務純益を維持することが困難になって来るとともに、投資信託の販売にその代替収益を求め、今やそこに血道をあげるようになりました。

そうした金融業界の環境変化の結果、販売会社にとっての投資信託が販売手数料を稼ぐための道具に成り果てて、日本の投資信託市場を極端な姿に歪めてしまいました。

バンガード社が日本での投資信託販売の業界構図を是とせず参入機会を逸してきたという事実に鑑みたとき、私が先方に示した既存業界のヒエラルキーから埒外でそのアンチテーゼとなる提案に、バンガード社のポジティブな手応えのみならず、それは同社のスタンスそのものであって、私たちと一緒に行動することを絶好の機会ととらえてくれる蓋然性を備えていると確信する背景があったのです。

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