くらし情報『「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (16) 既存ヒエラルキーへのアンチテーゼとなる提案、バンガード社にも絶好の機会』

「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (16) 既存ヒエラルキーへのアンチテーゼとなる提案、バンガード社にも絶好の機会

同社日本代表の加藤さんとは、日本の投資信託業界が抱える構造的問題を私としっかり共有してくださっていましたから、会合を重ねながらバンガード社の最も得意とするインデックスファンドを活用した長期投資ポートフォリオでの、新たな個人投資家を創って行くコンセプトでガッチリと意気投合し、双方のメンバーで商品設計の議論を進めると共に、米国本社への説得へと奔走して下さいました。

そしてこちら側では、同社との交渉を並行させながら、金融庁への認可申請のアプローチを開始しました。

さて、かくも米国で大きな成功を収めてきたバンガード社が、日本で個人の投資信託市場へ参入を得られぬ理由を述べてきましたが、現在にも至る業界事情の大枠を整理してみましょう。

日本の公募投資信託残高は現在50~60兆円規模ですが、そのうち投信会社が直接販売する割合は1%にも満たず、販売会社経由がほぼすべてと言っても過言ではありません。

それもかつては証券会社のみが販売の担い手でしたが、1998年に銀行窓販が解禁となり、今では販売シェアは証券会社経由と銀行経由でほぼ半々になっています。つまり個人投資家が投資信託を購入しようと思えば、証券会社か銀行に買いに行くことが当たり前の慣習となっており、顧客マーケットをガッチリと抱えている銀行・証券という販売会社がこのビジネスのイニシャティブを握る構図が鮮明です。

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