歯ごたえも味わいも鶏肉そのまま。
煮込まれた軟骨は奥歯に快い感触を残して噛み砕かれる。
そして煮汁に一滴の脂も浮かないほど淡白な肉ながら、噛むほどにしっかりとした旨味がにじむ。
まさに鶏肉といった味わいだが、骨太な骨格と先端の爪でようやくワニと気が付くところ。
もう一本の肉は、塩水、ニンニク醤油、生姜、香草を混合したタレに数日間漬け込んだうえ、200℃に熱したオーブンで十数分かけて焼き上げた「ロースト・クロコダイル」。
これもやはり鶏肉そのままの味わい。
塩水をしみ込ませた肉は火が通ればプリプリと歯に響き、飲み込めば風味付けのローズマリーが喉の奥で香る。
さらに特筆すべきは手の部分だ。
厚いワニ皮をはぎ取れば、閉じ込められていた肉汁がトロトロと流れ出す。
透明な汁にはゼラチン質の旨味がたっぷり含まれ、実に味わい深い。
鶏肉に似て、鶏肉以上においしい特性をいかせば、ワニ肉のレシピは無限に広がるだろう。
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