アジア市場で活躍が期待される日本のサービス関連企業
アジアでは、近年の経済成長に伴なう所得水準の向上や労働人口の増加などを背景に、個人消費が拡大傾向にあります。
また、中間所得層の人口が2030年には2009年比の約6倍に膨らむほか、その中間層の消費額が世界の約6割に達すると予想(注)されており、アジアは近い将来、世界の一大消費地に変貌すると考えられています。
(注)OECD(経済協力開発機構)予想。
なお、アジアは日本および太平洋地域を含むこうした拡大するアジアの消費市場を取り込むべく、日本企業はアジアへの進出を活発化させています。
日本の海外進出といえば、これまでは自動車や家電などの製造業が中心となっていましたが、アジアにおいて、所得の上昇などを背景に、食の多様化・高級化が進み、高品質の衣料品や生活用品などへのニーズが高まっているほか、レジャーや教育、医療・健康といったサービス需要も急速に増していることから、最近では、サービス業など非製造業の進出が加速しています。
「おもてなし」という言葉が表しているように、日本のサービスは高品位であり、かつ、きめ細やかであることが広く知られています。
高いサービス水準を生かし、他社との差別化を図ることで、日本のサービス関連企業は、潜在需要の大きいアジア市場を舞台に、収益獲得の機会を大きく拡げていくものと考えられます。