くらし情報『鉄道トリビア (170) 蒸気機関車の小さい車輪は何のためにある?』

鉄道トリビア (170) 蒸気機関車の小さい車輪は何のためにある?

このままでは、カーブにさしかかったときなど、動輪とレールが斜めに当たってしまう。

巨大な動輪とレールの双方が擦れて削れてしまうし、最悪の場合は動輪がレールに乗り上げ、脱線してしまうかもしれない。

電車や客車の台車は、車体との間に回転軸を持っている。

その回転によって左右にゆとりを持たせているのでスムーズに曲がれる。

しかし蒸気機関車の場合はロッドで動力を伝える。

動輪が左右に動いてしまってはロッドが折れてしまう。

巨大な鉄の車体を支える必要もある。

そこで、左右に動かない動輪の向きをレールに沿わせるために先輪を使う。


先輪は台枠に取り付けられているため、機関車がカーブにさしかかると、まず先輪がレールに沿って曲がる。

すると台枠も線路に対して従う動きをする。

これで動輪もレールに対して適切に接地できるというわけだ。

「あれ、それなら従輪は必要ないのでは?」と思うかもしれない。

しかし、蒸気機関車はつねに前向きで走るわけではない。終点に転車台がなければ、帰りは逆向きになる。

従輪の役目はいくつかあるが、バック走行においては従輪が先輪の役目を担うのだ。

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