東京証券取引所が発表した8月のJ-REITの投資部門別売買動向によると、同月に最も多くJ-REITを買い越したのは、投資信託で、80億円の買越しとなり、次いで、銀行の42億円となりました。
前月に続き、投資信託経由の投資資金や銀行による買いがJ-REIT市場を下支えしたとみられます。
一方、同月に最も多くJ-REITを売り越したのは、個人投資家の102億円で、次いで、海外投資家の27億円となりました。
個人投資家の売り越しの背景には、このところのJ-REIT市場の持ち直しを受けた、利益確定売りによるもののほか、最近続いた公募増資で取得した投資口の売却などがあるとみられます。
また、J-REITの主要な投資部門のひとつである海外投資家は、世界的に株式市場が大きく下落した5月にJ-REITを大量に売り越しましたが、その後は、買い越しに転じる月もあるなど、動きの傾向を捉えることができない展開となりました。
しかしながら、今月に入り、ECB(欧州中央銀行)やFRB(米連邦準備制度理事会)が相次いで景気を下支えるための政策対応を講じていることなどを考えると、リスク許容度の回復を背景に、再び、J-REITを買い越す傾向がみられると期待されます。