北海道根室市の隠れた極上メシ、生サンマが豪快に乗る丼とのおいしい出合い
と考える人もいる。
そしてその欲望に見事応えてくれるのが、納沙布岬(のさっぷみさき)にある「鈴木食堂」だ。
荒涼としただだっ広い風景が広がる日本の再東端(離島を除く)に位置する、根室の納沙布岬。
野鳥が多く集まる場所として、最近はイギリスを中心にヨーロッパからの観光客が増えている。
鈴木食堂は、その納沙布岬にある、昭和の雰囲気が残る大衆的な食堂だ。
一般観光客にはあまり知られていないらしいが、オートバイでやって来るツーリングライダーたちには「聖なる食堂」として知られている。
というのも、ライダーやバックパッカーなどを対象に超低価格で宿泊できるライダーハウスを併設している上に、マスターも大変親切で面倒見がいい方だからだ。
サンマ丼をメニューに取り入れたのは先代のマスター。
以来、この食堂の看板メニューのひとつになっている。
食べてみると、まず生サンマのしっとり甘みがある濃厚な味に驚く。
丼なので一気にかき込みたい衝動に駆られるが、貴重な生の味をしっかり味わいたいという理性が勝ってしまう。希少かつ極上な海の幸に恵まれた根室には、サンマ以外にもヤバいくらいおいしい魚介が数多くそろっている。