この犬はどんな犬!? 犬種を学んでみよう (10) 縄文時代からの古い友人-柴犬
■柴犬の歴史
柴犬は、日本古来の小型犬種で、国の天然記念物に指定された犬種の1つです。
日本を代表する犬種となっています。
一般に「柴」は背の低い雑木を意味しますが、柴犬の名の由来には「柴の中を巧みに移動し、猟を助けた」、あるいは「毛色が枯れた柴の色に似ている」「古語で小さいを意味する」などの説があります。
柴犬の起源は古く、縄文時代に大陸から日本に渡ってきた人々と、生活を共にしてきたとされます。
縄文時代の遺跡からは、埋葬されたものと思われる縄文犬(縄文柴犬)の骨が多く出土しています。
昔から本州の各地で飼われ、主に鳥や小動物の狩猟に利用されてきました。
地域によって「信州柴」「美濃柴」「山陰柴」「川上犬」など、いくつかのグループに分かれていました。
1936年、柴犬は天然記念物に指定されましたが、その後、他の犬種や洋犬などとの交配が進み、また第二次世界大戦後の食糧難や1952年の犬ジステンパー(犬がかかる感染症)などにより、純血種の柴犬の数が激減してしまいます。
その後、柴犬を絶滅の危機から守ろうという運動が起こり、日本各地の異なったタイプの柴犬同士を交配させる試みが開始されます。