OECD(経済協力開発機構)が、先頃発表した「2060年までの長期経済成長見通し」によると、購買力平価基準を用いた世界のGDP(国内総生産)総額は、2060年に238兆米ドルと、2012年の61兆米ドルのおよそ4倍にまで拡大する見通しです。
また、現在急成長している新興国が世界経済において重要な地位を担うようになると予想されています。
中でも、中国とインドが飛躍的な躍進を遂げ、2060年の中国とインド両国のGDP総額は109兆米ドルに達し、世界の約46%を占めるとされています。
OECDは、「世界経済は今後50年で激変を遂げる」とし、新興国の重要性が高まり、世界の勢力図が先進国から新興国へと長期的に変化していく中で、新興国では生活水準が向上し、多くの国々において、2060年までに、現在の4倍を超える所得増加が期待できると分析しています。
こうした新興国の躍進は、先進国と新興国の貿易の拡大を通じて、先進国経済に大きなメリットをもたらすほか、先進国からの技術提供や投資の拡大を通じて、世界経済を支える役割を担うと考えられます。
OECDでは、各国において労働市場改革や企業の生産性向上などに取り組むことが重要であるとしており、世界全体の持続可能な成長のためには、従来以上に、先進国および新興国の相互協力が不可欠になるものとみられます。