アジア太平洋地域で、新たに2つの巨大な貿易圏作りが動きだしました。
11月20日に開いた東アジア首脳会議などで日中韓とASEAN(東南アジア諸国連合)10ヵ国、およびインド、オーストラリア、ニュージーランドの計16ヵ国は、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の交渉を始めることで合意しました。
16ヵ国は2013年の早い時期に交渉を始め、域内関税の引き下げや投資障壁の削減などについて2015年末までの交渉妥結をめざします。
RCEPは、2011年末でGDP(国内総生産)の合計が約20兆米ドル(2011年時点)と、世界のおよそ3割を占める巨大な経済圏です。
経済大国に成長した中国やインドを始め、今後、世界経済を牽引していくと見込まれる国々で構成される自由貿易圏の構築は、当該国・地域間の人や物、情報の流れを一層加速させ、域内各国の経済・社会の発展に着実な恩恵をもたらすものとみられています。
また、日本および中国、韓国の3ヵ国は併せて、FTA(自由貿易協定)の交渉を来年開始することでも合意しました。
日中韓3ヵ国の貿易額(輸入ベース)は、1999年の1,400億米ドル超から2011年には7,300億米ドル超へと約5倍以上となったほか、それぞれが重要な貿易相手国になるなど、自由貿易区が構築されていない状況下でも、経済および貿易において緊密化が進んでいます。