イラスト:あん子
子どもに対してついつい言いすぎて、「あんなこと言わなくてよかったのに…」と後悔したことはありませんか? もっとも近い存在であるがゆえに、遠慮がなくなってしまいがちな親子関係。そのなかで、時に子どもを傷つけてしまうこともあるかもしれません。今回は、親から子どもへの言葉のかけ方について、考えてみたいと思います。
■子どもに言って後悔した言葉ある?
アンケートでは、子どもに言って後悔した言葉があるかどうか聞きました。その結果、「ある」、「少しある」と答えた人が合わせて92.4%となり、じつに9割以上の人たちが、子どもにかけた言葉に何かしらの後悔の気持ちを抱いた経験があることがわかりました。
Q.子どもに言って後悔した言葉ある?
ある 76.5%
少しある 15.9%
ほとんどない 4.8%
ない 2.2%
その他 0.6%
■後悔の言葉1、子どものことを否定する
9割以上のパパやママたちがかけてしまったことのある、後悔の言葉。子どもにどんな言葉をかけて、後悔しているのでしょうか。
「娘から『すごい?』って聞かれた時に、『別にすごくない』と答えたことがありました。何で『すごいね』ってほめてあげられなかったのか、たまに思い出します」(栃木県 50代男性)
「『何であなたは○○なの?』という言い方。理由なんかないし、これは子どもをもっとも簡単に、かつ強烈に否定する言葉だと気付いたのは育児を始めて何年経っていただろう…」(神奈川県 40代女性)
「高校生の娘とかなり激しい言い合いになった時、『あなたと話してると自分がイヤな人間になってくる』と言ってしまったこと。娘は、『そんな事言われたの初めて』と、とても悲しそうな顔をしていました」(神奈川県 50代女性)
「宿題も、次の日の準備も、連絡帳の記入も、授業態度も芳しくない息子のチェックにウンザリして、つい『ちっとも頑張らないね』と言ってしまった。息子が目に涙を浮かべながら、私をにらみながら、『オレはいつも、いつも、頑張ってる!』 と、言ってきました。 他の誰に言われても、私だけはこの言葉を言ってはいけなかったと、深く後悔しました」(神奈川県 50代女性)
そのほかにも、「『
嫌い!』親からは絶対言ってはいけない言葉。
この一言で子どもの顔色が変わった」とか、「『
なんでこんなこともできないんだ』私でもいまだにできないこと、忘れることもあるのに…」というコメントも寄せられてました。
どのコメントを見ても、その時にみずからが発してしまった言葉への後悔の思いが伝わってきます。子どもにとっても、自分自身を否定されるような言葉は、きっとつらい記憶として残っているのかも…と考えると、胸が苦しくなります。
■後悔の言葉2、人と比べてしまう
また、「子どもを人と比べてしまって後悔した」という声も集まっていました。
「仲のいい友達と比べてしまい、『〇〇くんは〇〇なのに』とか言ってしまうことが多い」(千葉県 40代女性)
「『お兄ちゃんは〇〇できるのに、 あなたはどうしてできない!』ですね。子ども、一人一人得意なこと、苦手なことがあるのに、兄弟内で比べてしまった」(愛媛県 40代女性)
「野球を始めた長男。つい周りの子と比べて試合での失敗を強めに責めてしまい、今でも後悔しています」(千葉県 30代女性)
同級生や兄弟など、子どもの身近にいる人とついつい比べてしまう言い方をしてしまった経験のある人も少なくないかもしれません。
筆者も、小学2年生の長男が、自分で始めると決めた水泳の習い事に行くのを嫌がった時、思わず「○○くんは水泳を頑張って続けて、もうクロールができるらしいよ〜」と言ってしまったことがあります。
言われた長男は、悔しそうな表情で口を一文字に結んでおり、「あ、しまった」と一瞬で後悔しました。
■後悔の言葉3、理不尽な言葉をかけてしまった
コメントの中には、理不尽な言い方をしてしまったという後悔の言葉も寄せられていました。
「『お兄ちゃんでしょ! お姉ちゃんでしょ! 我慢しなさい!』」(千葉県 40代女性)
「娘とケンカになるとつい、『お父さんとソックリだね』と言ってしまい後から後悔してしまいます」(岩手県 50代女性)
「仕事との両立に自分に余裕がなくて、話しかける子どもについつい、『うるさい! 待っていなさい!』と連日言ってしまった。泣きながらベッドにうずくまっているのを見て、後悔しました」(神奈川県 50代女性)
「自分が子どもの頃親から言われて傷ついた言葉ほど記憶に残っていて。なぜかその言葉を我が子にぶつけてしまったことが大きな後悔です」(奈良県 30代女性)
親の方も心に余裕がなくなってくると、きちんとした理由もなく、子どもに対して当たってしまうこともあるのかもしれません。