この、エレクトロニコス・ファンタスティコス!は廃材となった古家電を楽器として再生させる和田永のプロジェクトとして2015年にスタート。今回MATで行われたパフォーマンスは、その代表的な楽器であるブラウン管テレビから発せられている電磁波を自身の体に付けたコイルを使ってキャッチし、打楽器のようにして演奏、ギターアンプから鳴らすという「Braun Tube Jazz Band」のパフォーマンスでスタート。「ボーダーシャツサイザー」はテレビの縞模様が音に変換できるのなら、ボーダーシャツでも出来るはずという発想がきっかけで開発がスタートとしたいう。ボーダーシャツがウエアラブルメディアとなったわけだ。ちなみに縦のストライプはノイズになるのでダメだという。パフォーマンスの最後は換気扇を使い、オーバーヘッドプロジェクターとで光と映像を音に変換する荘厳な演奏で終了。この「換気扇サイザー」はオーストリアで毎年開催されている最も歴史のあるメディアアートフェスティバル「アルスエレクトロニカ」で2016年に演奏され、大きな話題を呼んだ。Text: 野田達哉