くらし情報『モリー・ゴダードによって再定義される“かわいい”の概念【2018春夏ウィメンズ】』

モリー・ゴダードによって再定義される“かわいい”の概念【2018春夏ウィメンズ】

そんな彼女が描く今季のコレクションは、よりリラックスして安心感に満ちている。コレクションノートには「私の主治医は“飲酒に注意するように”と言った。今、私は鏡の前で飲んでいる」とストーリー設定が一行書かれており、ファーストルックはウィスキー片手にタバコをくわえる、真っ白なドレスに身を包んだ女性が酔ったような心もとない足取りで登場。日本人アーティストのテイ・トウワ(TOWA TEI)の『Technova』のBGMとともに、観客は彼女の世界へと一気に引き込まれた。ウエストから大きな膨らみを持った少女のようなドレスは、ヴィンテージ風のダボダボとしたブーツと対照的でありながら、互いに引き立て合っているようにも見える。これまでのコレクションよりもチュールのフワフワとしたドレスは少なく、その分コットンギャザー、オーガンジー、スパンコールなど新たな生地による巧みなシルエットも披露した。

ショー後、バックステージでは自身の洋服に身を包み、シャンパンで祝杯をあげる彼女の姿があった。リラックスしたその様子はコレクションに登場した女性像そのもの。
ブランドが彼女の写し鏡だとすると、弱冠27歳の女性の内面の変化に伴うブランドの成長も、楽しみでならない。

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