【ルック】ヴァレンティノが2022-23年秋冬コレクション「VALENTINO THE BEGINNING」を創業の地ローマで発表
流儀は何一つ変わっていません。アトリエの場所さえ変わっていません。しかし同時にすべてが変わってもいるのです。
嗜好や感情が描く地図を辿り、瞬間やテーマ、色、素材、サイン、ラインの集積を通じてやりとりする創設者との対話。それはパーソナルな歴史との対話ともいえます。対話は自身の反映であり、さまざまな角度から自身を見つめることでもあります。結局のところ、同じものが再び巡ってくることはありません。それぞれの始まりは一度きりです。そしてそれぞれの始まりはアトリエによみがえり、そこでビジョンは実体のあるものへと作り変えられます。
最初のアイデアを具現化した究極の場でであるファッションショー。ファッションは決して動きを止めません。
ムーブメントはその真の次元であり、時空に影響されるものではありません。
歴史が詰まった階段沿いに存在するひとつのムーブメント。それはほかのムーブメントやファッションのモーメントに反響し、階段のステップ一段一段を伝って、アトリエの一部となります。最終的な表現は、最初の構想をもとにしながらも、完全にその通りというわけでもありません。その違いの中にほかの新たな始まりがあり、感情以外の地図を持たない新たな旅へとつながっていくのです。