太宰府天満宮でフィンランドとつながりの深い2人の日本人アーティストが展覧会を開催!
本展タイトルである「辺つ方の休息」の辺つ方(へつべ)とは、岸に近い方または岸辺を意味する古語。北欧の夏の始まりを撮影したのが、フィンランド南西部に位置するヴァーノ(Vänö)島の岸辺だったことから、この言葉を津田自身がノートに記していた。そしてもう一ヶ所、撮影のために滞在したユヴァスキュラ(Jyväskylä)にあるサマーコテージは、フィンランド人が夏の間の休息を楽しむ小屋であることから、「辺つ方の休息」というタイトルが生まれた。また、石本藤雄が手掛けたテキスタイルデザインの代表作「レポ(Lepo)」は、フィンランド語で「休息」という意味。今回のフィンランドでの撮影時には、現地の家庭で日常的に愛用されている「レポ」との出会いがあったという。「辺つ方の休息」というタイトルにはその記憶も込められており、本展会場の一部分に「レポ」の実物テキスタイルを用いた特製の座布団を並べ、くつろぎながら作品を鑑賞できるようにした。
会場となる太宰府天満宮文書館は通常、一般公開されない施設で、本展期間中は特別公開。畳敷きの空間を活かして、大広間には津田の作品に合わせた特別な展示台を設計した。
畳のサイズにぴったりとはまる展示台は、低くて平らなものもあれば、高さと角度のあるものもあり、岩場の多いヴァーノ島とユヴァスキュラの自然の中を歩くような気持ちにさせる仕掛けが。