ラグジュアリーファッションにパラダイムシフトを起こすケリング--マリ=クレール・ダヴォ1/3【エシカル特集】
が開催されたのを機に、環境保全の声は高まり、21世紀に入ると企業も本格的に取り組まなければいけない課題となった。そうした動きを受け、ケリングも現在ダヴォ氏が統括するサステナビリティ部門を2003年に創設。革新やイマジネーションを刺激し、コストを低減する可能性も含む、ビジネス上の機会を創出するものとして「サステイナブル・ディベロップメント」を打ち出した。
具体的な活動内容として、温室効果ガスの低減、排水、廃棄物削減、クロコダイルやリザードといったプレシャススキン、レザー、ゴールド、パッケージを含む紙類、ケリングのビジネスに欠かせない原材料の使用時に起こる問題解決がある。2012年ケリングは、メディアとステークホルダー(消費者、従業員、株主、取引先、地域社会など利害関係を有するもの)に対して、これら環境保全に必要な課題に対する、具体的な目標の数値と実行計画を発表した。その結果は2016年に公表されることになっている。
実行計画をグループ全体で共有するためにグループ取締役会に「サステイナブル・ディベロップメント委員会」を設け、またダヴォ氏が属する経営委員会(エグゼクティブコミッティー)と各ブランドにも担当部署を設けた。