ユイマ ナカザト 17年春夏オートクチュールコレクション、火・風・水・土で生み出された「未来の衣服」
まるで燃え上がる炎のように、光に当たるとレッド・オレンジ・イエローと色を変え、幻想的な空間を作り出す。中に合わせたドレスは腰から足元にかけて、炎を感じさせるパーツが揺らめいている。続く「風」は半透明の素材使いと、軽やかに舞う長いフリンジを全面にあしらったワンピースで表現された。
「水」を体現したのは、光にあたり煌めく水面のように、ブルー・ピンク・グリーンと色を変えていくロングドレス。大胆に開いたバックデザインと、腰まで入ったスリットでセンシュアルな印象だ。「土」はエスニックなドレスに落とし込まれ、くすんだターコイズブルーに光る銅色のパーツや切り抜きは、まるで風が吹く大地のような涼しげなムードを構築している。
さらに後半は、4要素のうち、2要素の特徴を組み合わせた衣服のほか、4要素すべてをミックスさせたインパクトのある着こなしも。例えば上半身が「風」で腰から下にかけて「火」が燃え上がるドレスや、「火」「地」が融合されたミニワンピースに「風」「水」のロングガウンを羽織ったユニークなスタイリングが披露された。
一切縫製せずに生み出された、ファンタジーのような服の数々。「全ての人へ、それぞれのデザインを」というデザイナー・中里唯馬のビジョンを反映した、未来のファッションの在り方を予感させる。
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