【秘蔵写真公開】故・八千草薫さん 渡辺えり語る“過激な素顔”
でも、まったく怒らずに、笑っていらした。八千草さんはいつも私の話を聞いてとてもウケてくださるので、ついつい大先輩ということを忘れて親しく話してしまう人でした。
「商業演劇に出るようになったのは八千草さんがきっかけ。責任がありますから、いろいろ教えてください」と手紙を書いたこともありました。そんな手紙にも「わかったわ」と快く答えてくださり、よく私の舞台を見にきてくれました。去年も座・高円寺という小劇場でやった舞台を見てくださって『やっぱりえり子さん(旧芸名)が出ると華やかでいいわね』と言ってくれました。嫌なことは一切言わないし、ふだんはおっとりした優しい方でしたけど、考えていることは過激で新しかったですね。私を舞台に使おうと思ったり。
とても自然なので細かい演技をしてないように感じますが、卓越した技術を持っていらして、人物の暗い部分、嫉妬心など内に秘めた情熱をしっかりセリフにすることができる稀有な女優さんでした。私が優しい役を演じるときは、八千草さんの演技を念頭において演じています。また共演したかったです。忙しくて八千草さんの最後の舞台に行けずに悔しい思いでいっぱいですが、八千草さんが伝えてくださったことを私の細胞のひとつにして頑張っていきます。
「女性自身」2019年12月24日号 掲載
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